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ときどきですが、無性に寂しさを感じることもあります

2010年8月19日 |阿部 淳一郎
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人材開発コンサルタントの阿部さんに、みなさんの抱える悩みを相談するコーナー。
さまざまな問題を解決してきた百戦錬磨の阿部さんが、目から鱗の回答をお届けします。

質問:
テレビ番組の制作会社で働いています。猛烈に忙しくて不条理なことだらけ。でも将来、独立したいし、結婚する気もないのでやり抜くしかない! ふと寂しさを感じることも…。

阿部さんの回答:
「ありたい状態」を心に素直に聞け


【今週の相談】

相談者:藤原美紗さん
年齢:30歳
仕事:テレビ番組制作会社の制作

テレビ番組制作会社で某キー局の番組を制作しています。

テレビ局の社員が指揮を取り、私たちはその下で実務をこなすのが役割。アゴでこき使われて猛烈に忙しいです。不条理なことだってある。というか、不条理なことだらけ。

でも、いつかすごくなって見返してやる!
将来は独立して、テレビ業界を引っ張っていきたい。ディレクターかプロデューサーかわからないけど、絶対にやってやるから!

結婚ですか?
する気はありません。仕事で生きていきます。だからこそ、がんばらなきゃいけないんです!

新人の子とか見ると、気合不足に感じますね。だから、ときどき怒鳴っちゃう。そういえば最近、怒鳴ることが増えたかも。たぶん、超こわがられてますよ。私がいると空気がピシッとしまるもの。でも、なかなか私の思いどおりに動いてくれない。ホント、仕事が甘くて頭に来る。

恋愛ですか?
この世界にいると、やっぱりギョーカイの男性から誘われますね。でも、つき合いません。まあ、独立した後に役に立ちそうな人は別ですけど。将来の仕事のための顔つなぎ、有益な人脈作りだと完全に割り切って。それ以外の意味なんかカケラもないですよ。とりあえず笑顔で「ハイ、ハイ」って言っとけば男はうれしがります。バカですよねえ。

先日、高校の同窓会に行きました。10年ぶりぐらいかな。でも、すぐイヤになった。専業主婦の友達なんか、もうすっかりオバサン。話も超つまんなくて、「ダンナのこづかいを減らして、自分は1500円のランチ。えへへ」とか、「ミクシィニュースで嵐の二宮クンがー」とか、そんな話ばっかり。くっだらない!

なんか幻滅ですよ。私はそんなもん、興味ないし、そんな時間ないし。あんなふうにはなりたくない。もう同窓会はあと10年、行かなくていいや。

でも、だったら自分がステキな生活をおくっているかっていったら、全然ですね。この仕事だと休みが不定期だし、出張ロケもあるから、休みが誰とも合わない。大学時代の友達とも疎遠になっちゃった。

だから休みの前日はバーで一人、朝方まで飲んだくれて、そこのバーテンさんと話すことが唯一の息抜き。この間、「あの業者にVTRを●円で発注しちゃったけど、あと▲円は買い叩けたね。失敗した~」ってバーテンさんにグチってたら、「藤原さん、やり手だからな~」とか言われて、ふと「私、こんなんでいいのかな」って疑問がわいてきて…。その夜はワインをバンバン飲んじゃって、気づいたら自分の家のベットで、化粧そのまま・服そのままで寝てました。最近、こういう「記憶なくなる系」が多いんですよね(苦笑)。

やっぱり疲れてるんでしょうか。ときどきですが、無性に寂しさを感じることもあります。

私のキャリアって、正しいですか。専門家の立場でどう思います?

【阿部さんの回答】
キャリアに正解・不正解はない。判断基準は「感じ方」

私もバーが好きでよく行きます。テキーラとバーボンが好きです。先日、プロの占い師に「前世占い」を遊びでやってもらったら、「あなたは前世でアメリカ人だったことがある」と言われました。だからなんですかね(笑)。…ってどうでもいいですね。

まず初めに、キャリアには正解・不正解はありません。自分自身の「感じ方」が判断基準です。だから、答えは「藤原さんがどう感じているか」にしかなく、私に聞かれたら、「わかりません」としか答えられません。

ただ、私が感じたことを率直に申し上げますね。

将来、独立することを目指して一生懸命にがんばっている。すばらしいですね。ぜひ、応援したいです。

でも、気になる点があります。「無性に寂しさを感じる」というところ。ここが答えの「キー」のような気がします。

さらに、「部下を自分の思いどおりにコントロールしたいけど、できないから怒鳴る」「男性に誘われるけど、将来につながりそうな人とだけ打算的につき合う」「同窓会で友達に幻滅し、距離を置く」「“業者”の値段を“買い叩く”」といった表現。

自分の将来に向けた努力に必死で、ある意味、闘っているときには、こういう気持ちになりがちですよね。

けれども、これって相手を尊重する気持ちがあまり…、いや、ほとんどありませんよね。そういう人間に、人は集まってくるでしょうか。藤原さんからすると「人」というより、自分以外の「周囲」でひとくくりかもしれませんが。

「踊る大捜査線」の青島刑事は、みんなから非常に慕われ、愛され、サポートされていますよね。最新の映画「踊る大捜査線THE MOVIE 3」の中で、係長になった青島刑事が、本庁のエラい立場の人から、「部下を使え! いいから命令してやらせろ!」と頭ごなしに言われて、「オレには“部下”なんていない。いるのは“仲間”だ!!」と言い返すシーンがあります。

カッコいい~。だから、慕われるんでしょう。人を思いやる気持ちがありますから。

私も起業して7年目になりますが、やっぱり社内・社外問わず、「仲間」は大切ですよ。

「仲間」の存在は、仕事や自分の成長にとって大切なのはもちろんですが、一人の人間としても大切なものです。藤原さんにとっても。そして、打算的で自分本位なだけの人に、本当の意味で「仲間」になってくれる人が現れるでしょうか。

心理学の用語で「ソーシャル・サポート」という言葉があります。「打算抜きに支え合う人づき合いは大切だ」という考え方で、この「人づき合い」からもたらされるものの一つに、「情緒的サポート」があります。メンタル面を支え合う存在として、いい人間関係を築いておくことは大切です。これがないと、メンタル不調を引き起こしやすくなり、当然、モチベーションなど上がるわけがありません。

藤原さんは、働くうえで「成長したい」という気持ちが旺盛ですが、その裏が非常に攻撃的です。闘うだけだと疲弊しちゃいますよ。短期的なエネルギーとしてはいいですが、それを何年も継続するのは、人間も動物ですから無理があります。いずれ体や心にガタがきます。

こういう人って、はたから見ていると、一心不乱でカッコいいのですが、突然、バーンアウトして燃え尽きてしまったり、ストレス性の心筋梗塞で倒れたりします。そんな事例をこれまで数多く見てきました。

キャリアコンサルタントとしてでなく、一個人として感じるのは、藤原さんは自分1人でがんばろうとしすぎています。将来の独立を意識しすぎるあまり、他者を尊重する意識が希薄になっている。だから、お酒に走ったり、寂しさを感じたりするのでは?

藤原さんに今、最も必要なのは、自分の心に素直に問いかけてみることかもしれません。自分が本当はどう感じているのかを。

ここで2つの質問をします。

1)自分の「ありたい理想の状態」「自然体でいられる状態」って、どんなものですか。
その状態を10点満点でいうと、今は何点ですか。
その点数を1点だけアップするには、どういう方法が思い浮かびますか。
そのために、どんな行動をしたらいいですか。

2)仲間との関係で「いい状態」「自然な状態」だと思えるのは、どんなものですか。
その状態を10点満点でいうと、今は何点ですか。
その点数を1点だけアップするには、どういう方法が思い浮かびますか。
そのためにどんな行動をしたらいいですか。

手は抜かずに、力を抜いていきましょう!

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ハックシリーズ著者の小山龍介が編集長をつとめる、ビジネスマンに向けたビジネスウェブマガジン。豪華連載陣、インタビュー記事を中心に、仕事の息抜きに楽しめるコンテンツを提供しています。

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